つれづれ

岩間の社にて

投稿日:2005年12月25日 更新日:

数年前、一時オフロードバイクに乗っていたころ、オフロードを求めて秩父の林道を走っていたのですが、林道と言えども既にほとんどが舗装路で諦め気味にしかし軽快に流していました。
ある左カーブの突き当たりに2枚の岩が寄り添うように立っていたか、大きな岩盤に割れ目があったのか、大人がギリギリ入り込めるくらいの隙間があり、社の様に柵があり朱色の鳥居があったような気がしました。
「お、ちょっと拝んでいくか」と思ったのですが、降りてみると割れ目の入り口の岩の裾に人形が座った形で置いてあるんです。
ある程度くたびれた、よく2〜3歳の女の子が遊ぶような普通の女の子の人形です。
暗い岩の割れ目を祀る社に古ぼけた人形・・・。
秩父は霊場ですから、まあ何の気なしに鳥居をくぐると何かが祀られていてそこにさい銭でも置いて行こうと思ったんですがまるで人形が立ち入るのを阻んでいるような雰囲気なのです。脇に置いてあるのですが人形に触れずに蹴飛ばさずに行くのは確信が無いくらいの狭さです。
それに何と言っても中はどうなっているんだろう・・・
どんな社があるのだろうと覗いても見えないんですよ。
岩の影になった部分から先が全くといっていいほどの暗闇です。
暗黒なのです。普通なら1メートルくらいは見えてもいいのにそんな深くは思えない作りなのにです。とにかく入るのは止めておこうと思って立ち去りました。
あそこに入ったら何が在ったのでしょうか・・・いま思い出して文章を書いていても背筋がゾクゾクします
そういえば、先日のツーリングで万座の硫黄ガスが出ているあたりを流していましたところ、あるカーブで異様にバイクが引っぱられる感覚を覚えました。
大した腕ではないのですが、タイヤのグリップが無い感触もないしラインが膨らんでいるというより横に引っぱられるんです。
何だよこれともうちょっとバイクを倒しそのコーナーはクリアしました山道ですので急なカーブですし、左は急斜面でした。
※この文章は『逢魔が時物語』に収録されたものです
(2001.06)

-つれづれ
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

悲しい拒絶反応

先日の子供の風邪の件の続きですが、それっきり発疹は出る様子も無く 熱も下がってきて直りかけですが油断は禁物。 それはそうと、朝晩の薬やりは何故か私の当番になりました。 最初は騙し騙しやっていたんですが …

no image

ラインの危険性

ベッキーのCMで最近良く見るLINE – NAVER Japan Corporationですが、 ユーザー同士は完全無料通話みたいですね? 「Skype」で、番号通知の不完全さと通信品質の …

no image

初個展の記録5 出力編

〜これは、ある男の苦難と試練を乗り越え 個展への夢を実現させるまでの汗と涙の物語である〜 ※この文章はメールマガジン『悩めるグラフィッカーズ』に99/5-2000/7の間に掲載した奮闘記を再編集し直し …

no image

能登の旅-8 〜帰途〜

〜1998年の旅行のお話です。8回にも及ぶ長編。 旧コンテンツからまとめて引っ越ししたものなので、物好きな人は読んでね〜 第7話はこちら 3/29(日) 朝、何度か目を開けたがまた目を閉じ、気が付くと …

no image

闇に浮かぶ釣人

若いころは、友人達と夜通しファミリーレストランでお喋りをしたり、 思い立つままにドライブなどと、思い立ったら吉日のノリでした。 奥多摩、あるいは奥多摩を越えて、山梨に向かっていた頃かと思います。 深夜 …