闇の子供たち

投稿日:2008年10月9日 更新日:


闇の子供たち


映画化もされた「闇の子供たち」
一応、フィクションと謳われています。
しかしながら、設定がフィクションであり、
背景はノンフィクションであろうことが何となく伝わってきます。
NGOの人権保護団体の活動を通し、児童売春や臓器売買など
記者の目、親の目にたって語られていきます。
描写がストレートであまりにもエグく目を背けたいのですが、
どんどん読み進んでしまいます。
食事中にはそぐわないような内容でも、目は離さずにいられません。
400p弱あるのですが、読むのが遅い私でも2日で読破してしまいました。
六〜八歳で(売られ)買われ、児童売春をさせられる。
しかも、日本円にしてたった数万円で…
暗い部屋に鎖でつながれ、死なない程度の食事で生かされる。
死ぬことも許されない正に生き地獄以外の何物でもありません。
言葉が悪いかもしれませんが、
日本の今の状況に生まれたことを幸せに感じてしまいます。
そして、子供は親や環境を選ぶことは出来ません。
お金を積んで我が子のために臓器を買う。
それも貧しい国の子供の命と一緒に…
許されることではありませんが、
そうしないと我が子の助かる道はない。
そういわれたとき私も子供を持つ親として、
その選択肢を捨てることはなかなか出来ないでしょう。
ただ悩むと思います、悩み続けるでしょう。
たとえそれで手術が成功したとしても永遠に…
悩まずに決断できたとしたらそれは鬼畜です。
心を持つ生き物とは言えません。
ただ、人間としては否定できても、親としては否定は出来ないのです。
考えさせられますが、何が出来るんだろう…

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