つれづれ

わら人形

投稿日:2005年11月28日 更新日:

私のホームページのコンテンツを削除したのでこちらに載せ直しました。
数年前、友人と3人でツーリングに行った時のことでした。
何となく海沿いに北上して日立から内陸に入り夕暮れの中で温泉に浸かり、うち1人は日程の都合で途中帰途につきました。
その後残る2人で寝床を求めて付近の地図を見ていたところ、I県S村というところに
「龍神湖」
という何とも神秘的な地名を見つけました。
その様なところならば睡眠をとることも出来るだろうと漠然と思いスロットルを開きました。山間らしい坂道が続きながら確実に龍神湖方面に近付きつつあった時、 T字路の正面にそれはありました。
コンクリート壁に5寸釘で貫かれた数体のワラ人形。
私は本物のワラ人形を眼にするのは初めてで、また5寸釘がこんなに長いものであるのを知ったのもこのときが最初でした。少ししてバイクを停めた機会に友人に聞きました。
「さっきの見たか?」
「何も聞くな、俺は何も見ていない!」
このセリフは、ちょっと気が小さく臆病な友人ならではなのですが、コンクリート壁に釘がそう易々と食い込むとは思いませんし、それも一体に数本刺さっていた物もありました。
藁人形に釘を打っている所を人に見られるとその呪いは本人にかかると言われます。
またそう離れていない距離には家並みもあったと思います 。
一体誰が、どんな気持ちで、ここまでして打ち込んだものなのでしょう?
人目につくと言う点から考えても戦慄が走りました。
たった一度バイクで通り過ぎた一瞬の景色でしたが未だ心に染みついています。
しかしながらその後、夜の龍神湖にたどり着き吊り橋や、ダムを眺めてその近くの人気の無い広場の片隅に寝袋を敷いたのが、 今となっては笑い話でしょうか。
※この文章は『逢魔が時物語』に収録されたものです

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