つれづれ

能登の旅-5 〜一人足りない…〜

投稿日:2006年11月9日 更新日:

〜1998年の旅行のお話です。8回にも及ぶ長編。
旧コンテンツからまとめて引っ越ししたものなので、物好きな人は読んでね〜

第4話はこちら
部屋に戻ると布団が敷いてあったので思わず横になり、また水が恋しくなったので
お勘定場に行って今度は水差しで一杯にもらった。
何てずうずうしいっ。
それを、美味しいのでゴクゴクとコップ一杯飲み干してしまってから、テーブルに何かあるのを見つけた。
干し柿のような、赤黒くてごつごつツルツルの果物、最初
「干し柿だー」と手に取ったら、
スプーンが添えてある上に赤道の辺りに殻が切れていて、
中にはミカンのように白いものが8等分位になったトロピカルフルーツの様だった。(後に、マンゴスチンと判明。)
これまでもそうだが、Mはずーっとマンガを読んでいた。
越後湯沢で乗り換えの時に拾ったらしいが、ずーっとそれだけを読んでいて よく飽きないなと思っていたらやっと来た。
「あーっ!! もう読むとこねーよぉー」と本をほうり投げて眠ってしまった。
まあ それはそれで良いのだが・・・。
フロントで土産を買って戻るとKもMも眠っていたので私も暇になってしまい眠った。
それから少しして目が覚めると9時過ぎだった。
私は夜甘酒を注文しようと思っていたのだが、オーダーは9時までで「従業員帰宅の為」と理由も書いてあった・・・
思わずうなずいてしまった。
night.JPG
後でまた風呂に入ると言っていたから、Kを起こしてMを起こすがMは全然起きないのでKと二人でまた風呂へ入った。
ここの風呂は入っていても4〜5人程度でとてもゆったりしていて気持ちがよい。
途中で一人若い男性が入って来て、挨拶と多少の会話を交わす。
何故、こういう所に来ると自然に声を掛ける事が出来るのだろうか。
冷たい夜風が気持ち良く、潮騒の音も心地良い。
磯もライトアップされていて、多少見渡せるようになっている。
とても幻想的でそれでいて、あそこに投げ込まれたらという闇に対する恐怖を感じる。


一緒に入っていた男性が、「晴れていたら星が奇麗なのでしょうね」と静かに言った。
雰囲気を壊さない優しい声だった。
そう言えば、雨が止んでいたが空は雲に覆われていた。
漁船の明かりが遠くに2つ、3つと瞬いていた。
本当に星が見えていたらどんなに奇麗で、どんなに沢山の光が瞬くのだろうか?
kairo.JPG
言われて初めて空を見上げた。
普段空を見ていないことに改めて気付かされる。
その代わりに辺りを見渡すと、この宿以外に浜や山などに明かりは無い。
そしてプールの水中にはブルー、回廊のランプはオレンジ。
光景はとても幻想的な照明によって効果的に浮かび上がっていた。
夜の海と風呂を満喫したので上がるが、頭が冷えているので全くのぼせないのに体はホカホカとしていた。
また一時間も経っていた。
本当はもっと入っていたかったのだが、夜景をカメラに収めたいと思ったので2人で出ることにしたのだ。
部屋に戻って早速カメラを取り下へ戻り、時計を見るともう10:50頃。
早くしないと風呂場のイルミネーションがっ!! と思い行ったら、消えていた・・・。
そして勘定場で明日の予定、造り酒屋「宗玄」への行き方を宿の方に聞く。
すると、恋路から徒歩10分!! 
それを昨日聞いていれば有効に時間を潰せたのに!! 
それと電車とバスの便の確認を済ませ、明日の朝はタクシーを呼ぶことにした。
本当は愛想が良くて奇麗な若女将と話をしたかったのだが、
台所からはトントントンと包丁の音が聞こえてくるし、
子供を背負っているのでなかなか話しかける事が出来ない。
子供もスリッパを並べたリとか手伝ってました。
でも、包丁の音が台所から夜遅くしてくるというのは昔ながらの日本の光景というか、胸が詰まりましたです。はい。
さあ、風呂は閉まったが宿の夜景を撮ろう!! 
ランプの明かりを撮り、別館の回廊を撮り、建物から漏れる明かりを撮り、いろいろと楽しんだ。
そしてビールを買い部屋に戻った。
いろいろと昔話や最近の話題に話しが咲き、時間が過ぎていった。
とは言ってもまだ11時過ぎで、それに今日はまだ金曜日。まだ旅が2日もあるなんて何て幸せだろうと思った。
話しの内容だが、ダラダラ書くと長いし、全て覚えている訳ではないので一つだけ傑作を・・・。
〜〜クラスメイトが今頃何をしているのだろうかという話しになった。
Kはまめにノートに名を連ねていく。
…すると男が一人足りない。
さっきは数えて合っていたのだが、忘れているのは誰だろうと二人で長い間首をかしげ考え続けた。
するとKの爆笑。
なんと足りないのはMだったのだ。
私も笑い転げてしまった。影は薄いと思っていたがそれほどに薄いとは。
そして0時をまわったころ私は床に就いた。
Kはその日5時近くまで本を読んでいたそうだ。
<続く>

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