傷だらけの店長~それでもやらねばならない~

投稿日:2011年2月25日 更新日:


傷だらけの店長 ~それでもやらねばならない~

「リストラなう!」の中で紹介されていた書店店長の奮闘記です。

本を愛しているが為にアルバイトから書店員、そして店長になった、著者の伊達雅彦さん。
困った客、万引き、アルバイトとの確執、競合店の近隣への出店、安月給と激務の葛藤、
そんな楽ではない店長として書店の日常を綴ったエッセイ、
または日記の様な物だと思っていました。
しかし、そこには人生が記されていました。

駅中に出来た大手競合店、アクセスも品揃えも新しさも広さも適わない。
そんな中、本部に打診してもキャンペーンや店舗改装のための予算も承認されず、人海戦術でライナップを改善、改良するも減り続ける人と売り上げ。そして本部より閉店決定の連絡。
アルバイトの解雇、返品、閉店手続き、お客さんの引き継ぎまでそして閉店後の書店通い。
書店と出版の先行きを悲観し、憂い、そして愛した一人の店長の人生が詰まっていました。

はっきり言って閉店決定以降は目が潤むことしばしば。
この一冊には、一人の人生が詰まっています。
近年で大きく心打たれた一冊です。

-
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

自転車ツーキニスト

最近は雨が多く自転車に乗れないのがストレスです。 こういうときにこそメンテナンスが出来ればいいのですが、 小さい子供持ちだとそれも難しいところで悩ましいです。 自転車ツーキニスト (知恵の森文庫)を読 …

マンガ中国入門

マンガ中国入門 やっかいな隣人の研究 同じく問題作の「マンガ嫌韓流」と本書の出版時期が重なったのは 「偶然」というよりはむしろ日本の国民感情の「マグマ」が臨界点 に達しつつあることからくる「必然」のよ …

間に合わなかった兵器

第2次大戦中の主に帝国日本に関する兵器開発や その環境についての個人的には興味深い話。 日本人の独創性と研究熱心なところはなかなかなもので、 環境が整ってこれらがもっと早くできていれば戦局ももう少しマ …

本当に頭がよくなる1分間アイデア法

元アナウンサーの石井貴士著の書籍。仕事のアイデア出しに詰まることがあるので引き出しづくりにと思ってジャケ買いならぬ、背表紙借りです。 積もる所、忘れる前にとりあえず何でも書き留めておけ。に行き着くんで …

金正日の私生活

金正日の私生活 ―知られざる招待所の全貌 藤本 健二の前作『金正日の料理人?間近で見た権力者の素顔』を招待所ごとのエピソードに分けた様なもの。 2006年刊なのでコメント等は拉致問題などに絡めてアレン …